特許制度について、研究開発や技術導入に関係する方以外はあまり詳しく理解していない状況です。企業の知的財産管理に新規で就任した方は、特許制度についてはじめから学ぶことが必要です。ここでは、そんな新人の知的管理財産分野の担当者のために特許制度について詳しく説明していきます。
特許制度の基本を理解するために、存続期間、出願公開、効力の及ぶ範囲、PCT国際出願、職務発明の5つの項目を確認していきます。
特許権の存続期間は20年です。存続期間の始期は特許権の設定登録日からで、終期は特許出願からです。この存続期間の始期と終期を正しく理解することが大切です。また、実施ができない期間が発生する場合は、存続期間の延長も可能です。特許権の存続期間について正確に理解し、知的財産管理戦略を立てることが重要です。
特許出願したアイデアは、出願後1年半で公開されます。特許は出願公開制度を設けていて、競合他社に模倣されることへの対価としての補償金請求も可能です。特許出願公開制度と補償金請求制度について知識をつけ、企業に最適な特許出願について考えていきましょう。
特許制度は国際法上の属地主義を採用しており、日本で取得した特許は日本国内でしか効力を有しません。しかし、発明の新規性の評価は、世界統一で行われます。こうした特許の国際的な性質を理解して外国出願を検討し、海外展開戦略をすることが大切です。
特許の外国出願は、各国で行うことが原則です。しかし、権利登録したい国ごとに出願するのでは非効率な手続きとなってしまいます。そこで、設けられた制度がPCT国際出願です。ここでは、PCT国際出願について理解し、発明の海外展開について理解を深めましょう。
企業の従業員がした発明の権利は、誰のものになるのでしょうか?企業で従業員がした発明は、職務発明の要件をみたせば、従業者のものです。企業は無償の実施権を有しますが、対価を支払うならば従業者の発明を承継することも可能です。ここでは、職務発明について理解を深めていきます。
特許申請は、大まかに、願書と提出物件の作成・提出、方式審査、実体審査、特許査定、登録の流れで行われます。書類に不備があった場合には修正が必要なほか、実体審査では意見書や補正書などの追加書類が求められることがあります。
特許申請には、「願書」「特許請求の範囲」「明細書」「必要な図面」「要約書」の5つの書類が必要です。書類にはそれぞれ、記載項目が決められており、記載方法のルールも守らなければならないのでご注意ください。
特許を申請する際には、書類提出の前に申請人利用登録が必要です。電子証明書の取得にあたっては、電子証明書の種類によって操作方法が異なります。弁理士などの専門家に依頼する場合は、申請人利用登録は必要ありません。
特許申請の手続きは、「インターネット出願ソフト」とマイナンバーカードや電子証明書、ICカードを利用してオンラインで行うことが可能です。個人・法人別のインターネット出願の流れや、事前準備で行うべき事項を紹介します。
特許法上、発明が特許を得るためには、産業上利用することができる発明であるかどうかや、新規性・進歩性など、様々な条件をクリアしなければなりません。実際にはどのような要件を満たさなくてはならないのか、詳しく解説します。
特許庁に対して出願中の特許出願について、後から2つ以上の出願に分割することを「特許出願の分割」といいます。特許出願の分割を行った場合でも、原出願(もともと出願していた特許出願)の出願順位を維持できるなどのメリットがあります。
特許が保護対象としているものは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」と定義された発明です。具体的にはどのような定義であるのか、実用新案権との違いと併せて説明しています。
共同発明とは読んで字の通り、複数の人間がひとつの発明に携わることを指しますが、その具体的な定義や、認められる場合・認められない場合、どのようなメリットとデメリットがるのかなどの情報をまとめました。
特許権は発明の保護であるのに対し、商標権は文字や図形、記号、立体的形状などが保護対象となっています。近年では「動き」や「ホログラム」など今まで対象外だったものも保護対象に追加され、幅広い権利の保護が可能になっています。
自然法則を利用した技術的思想のうち高度なものが保護対象となる特許と意匠権の主な違いはその保護対象にあり、意匠権は実用品などの形状が対象となっています。その形状を維持しなければ効果が発揮できないような実用品であれば、間接的にその技術も保護することが可能になります。
知的財産権のうち、特許権・意匠権・商標権・実用新案権の4つを「産業財産権」と呼びます。ここでは、産業財産権についての解説や、産業財産権と呼ばれるもの以外の知的財産権について紹介します。
「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義される発明を保護する特許権と、「自然法則を利用した技術的思想の創作であって、物品の形状、構造又は組合せに係るもの」と定義される考案を保護する実用新案権について、それぞれの違いを解説します。
特許出願を行うにあたって抑えておきたい「新規性」について解説します。新規性を判断するために引用する先行技術=引用発明とどのように対比されるのか、また「新規性喪失の例外」についても紹介・解説しています。
特許出願で抑えておきたい要件に、「進歩性」もあります。「新規性」を有する発明であっても当事者が公知技術に基づいて容易に発明ができる場合には「進歩性なし」と判断されます。他にも肯定的・否定的に働く要素についても紹介します。
所長弁理士 坂本智弘
所属
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