特許の出願には、事前に準備する書類がたくさんあって大変です。以下に5つの書類を紹介します。
特許の出願において、まずは「願書」を作成する必要があります。願書を含め以下の必要書類は、オンラインか書面で提出することが可能です。
オンライン手続きの場合は、1行40字詰め・1ページ50行で作成、書面の場合には日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)サイズの用紙で作成。使用してはいけない文字や余白についても細かく決められています。様式例は特許庁のホームページで確認することが可能です。
願書には、発明者の住所と氏名、出願人の住所と氏名(法人の場合は名称)を記載しますが、本来、特許を出願できる発明者・出願人の要件を満たしているかどうかをチェックしましょう。
必要書類の2つ目は、「特許請求の範囲」です。日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)サイズの用紙に、出願する発明の権利範囲について記載します。使用する用語は、特許請求の範囲の書面全体や、以下に説明する明細書を通じて統一させなければなりません。文字の大きさや使用してはいけない文字についてもルールがあります。
様式例は、特許庁のホームページでチェック可能です。特許請求の範囲は、出願したあとにその範囲を超えて補正することはできないためご注意ください。
必要書類の3つ目は、「明細書」です。日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)サイズの用紙に、発明の背景となる技術、先行技術に関する文献、発明の概要、図面の簡単な説明、産業上の利用可能性などを記載。様式例は、特許庁のホームページから確認することができます。
明細書は、技術的に正確に書かなければなりませんが、冗長にならず、シンプルに記載することが大切です。また、特許の請求の範囲と同様、出願したあとにその範囲を超えて補正することはできません。
必要書類の4つ目は、「必要な図面」です。日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)のサイズのトレーシングペーパーやトレーシングクロス、あるいは上質紙に発明内容の説明を補足する図を記載。様式例は、特許庁のホームページでチェックできます。
図の大きさや余白の幅、図面の線の太さ、実線・斜線の使い分けにもご注意ください。また、明細書に記載した図面の説明と矛盾しないように記載しなければなりません。
必要書類の5つ目は、「要約書」です。日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)サイズの用紙に、特許請求の範囲、明細書、必要な図面の概要を記載します。様式例は、特許庁のホームページでご確認ください。
審査官がスムーズに審査できるよう、平易な文章で分かりやすく記載することが大切です。用語は、要約書全体、特許請求の範囲、明細書を通じて統一するようにしましょう。
特許出願の必要書類には細かいルールがたくさんあり、すべてを把握するのは大変です。書類に不備があれば、却下される可能性もあります。確実に特許を取得したい場合には、特許申請を専門とする弁理士などに依頼するとよいでしょう。
所長弁理士 坂本智弘
所属
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