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煩雑な特許申請の書面準備や手順

特許申請の手続きのためには、事前にたくさんの書面を作成しなければなりません。審査の過程でも、追加で書類を準備しなければならないこともあります。専門家に依頼する方も、基礎知識として、手続きの概要をおさえておくとよいでしょう。

特許申請の流れ

特許申請は、大まかに、願書と提出物件の作成・提出、方式審査、実体審査、特許査定、登録の流れで行われます。

必要書類の取得・記入

願書の準備

オンラインで手続きをする場合には40字詰め50行を1ページとし、書面で提出する場合には日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)の大きさの用紙を用意。発明者の住所と氏名、出願人の住所と氏名(法人の場合は名称)、手数料の表示、提出物件の目録などを記載します。

特許請求の範囲の作成

日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)の大きさの用紙に、特許を受けようとする発明の権利範囲に関するすべての事項を、はっきりと簡潔に記載します。とくに、以下に紹介する「明細書」との矛盾に注意し、全体を通して字句を統一させることが重要です。

明細書の作成

日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)の大きさの用紙に、発明の名称や詳細な説明、図面の簡単な説明を記載。発明の詳細には、その発明が関わる課題や解決方法、効果などを記載します。

図面の作成

日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)の大きさのトレーシングペーパーやトレーシングクロス、上質紙に発明の内容の理解に役立つ図や発明の特徴を表わす図を記載します。

要約書の作成

日本産業規格A4(横21㎝、縦29.7㎝)の大きさの用紙に、一般の技術者が調査の際に要点をすばやく理解できるよう、発明の概要を簡潔に記載します。

方式審査

方式審査では、願書とその他の提出物件の書類が、手続的・形式的に要件を満たしているかどうかを確認します。たとえば、手数料の納付漏れや必要記載項目への記入漏れなどです。

不備が発見され、補正命令が出た場合には、特許庁長官から補正命令がなされます。出願人は、指定された期間内に補正書等を提出して、不備を是正しなければなりません。不備を是正しなければ、出願が却下されてしまうためご注意ください。

補正命令が出されず方式審査を通過した場合は、次の実体審査に移ります。

実体診査

方式審査を通過した出願に対して、実体審査を実施。申請された発明が特許要件を満たしているかどうかや拒絶理由がないかどうかがチェックされます。

拒絶理由がある場合には拒絶理由通知書が発行され、出願人は、通知書に従って意見書や補正書などを準備しなければなりません。意見書とは拒絶理由に対して反論するための書面で、参考文献やデータで客観的に説明するなど、審査官を納得させる内容を記載することが大切です。補正書は、願書やその他の提出物件の書類の内容を補正するための書面。ただし、当初に提出した特許請求の範囲や明細書の内容を超えて補正することはできません。

実体調査の結果、特許要件を満たし、拒絶理由も発見されない(あるいは解消された)出願は、最終処分として特定査定がなされます。

登録

特定査定の文書は、出願人に速達で送られます。文書の送達日から30日以内に、特許料を納付しなければなりません。納付が確認されたら、登録番号などを特許登録原簿へ記載し、特許権の設定登録が完了し、特許権が発生。発明内容は特許官報に掲載され、出願人のもとには特許証が送られてきます。

特許申請の手続きまとめ

特許の申請には、あらかじめ多くの書類を作成しなければならないだけでなく、審査の内容によっては、追加で書類を準備しなければなりません。書類に不備があれば却下されてしまう可能性もあるため、特許出願を専門にしている弁理士などに依頼されるとよいでしょう。

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